治療のポイント
腹痛の診断と鎮痛剤の使い方
本田 利男
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1日大第3内科
pp.1204-1206
発行日 1970年7月10日
Published Date 1970/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203273
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腹痛は日常の診療において,最もしばしば経験する症状の1つである.この腹痛の分類については,古くからその性質や発生原因によって,またその局所による分類などがあげられている.しかしこれらの分類は判然と区別がつけられるものではなく,限局性の鈍痛もあれば,汎発性で痙攣性の疼痛のこともあり,また限局性でも上腹部全体や下腹部のせまい範囲にある激痛もあるなど鑑別することは,はなはだむずかしい.
他方,単に腹痛といっても種々の症状を訴えるもの,また腹痛を主訴とする疾患も種々雑多である.これらの中には,きわあて短時間に重症に移行するものも少なくない.また逆に短時間に消褪してしまうものも多いものである.したがって実際に腹痛を訴える患者については,早期に適切な診断を下すことが,その治療を決定する上にも大切なことである.
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