症例
犬糸状虫感染症
吉村 裕之
1
1千葉大寄生虫学
pp.1274-1279
発行日 1969年11月10日
Published Date 1969/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202875
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近年,犬糸状虫(Dirofilaria immitis)で代表されるDirofilaria属線虫の人体寄生にもとづく感染症(Dirofilariasis)の症例が次々に各地から報告されつつあり,人畜共通感染症(Zoonosis)の観点から注目されてきた.本命題はFaust(1957)によるreviewに続いてBeaver & Orihel(1965)およびOrihel & Beaver(1965)のアメリカ(U. S. A)における臨床例の追加とその形態学的再検討が吾人の関心を喚起する機縁となっている.筆者ら(1968)もまたわが国における犬糸状虫のヒト肺臓寄生の最初の症例を経験したが,ここ2-3年においてカナダやソビエトなどからも次々と新しい報告がなされていることは注目に価しよう.
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