全国教室めぐり
診断技術の向上に努力—久留米大・第1内科
原田 寿彦
1
1久留米大第1内科医局
pp.899
発行日 1969年8月10日
Published Date 1969/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202764
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風土病・日本住血吸虫病の研究
久留米大学第1内科教室は昭和3年久留米大学の前身,九州医学専門学校が創立された当時,田中政彦教授によって開講された.田中教授は10年余のヨーロッパ留学後着任されたが,在任中には学校経営に辣腕をふるわれ,こんにちの久留米大学の基礎を築くとともに,地方医師会との連絡を密にされ,地方啓蒙,衛生思想の向上に尽力された.2代目吉住好夫教授はこの地域の風土病である日本住血吸虫病の診断,特に肝生検についての研究,大動脈注射などに新くふうをこらすなど腹部諸臓器疾患に画期的効果をあげられた。3代目,現在在任中の 誠教授は吉住教授と同様,九州大学第II内科より昭 年4月赴任されたが,日本住血吸虫病の疫学・病態生理(自己免疫を含む)および自律神経に関する研究,特に生体反応における神経体液性調節のテーマを中心に多くの業績をあげられている.
臨床面では幅広い一般臨床医学の知識・技術の基礎の上に,専門的な知識と技術を身につけることをつねに念頭におき,片寄った臨床医になることのないように心がけており,教室では教授着任以来これをモットーに現在にいたっている。
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