Nursing Study
血圧の年令的推移と左右差について
渡辺 宜子
1
,
富山 のぶ子
1
1京都市立看護短期大学
pp.92-96
発行日 1964年8月1日
Published Date 1964/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912344
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1.序文
私たちは,日常の看護にあたって,血圧測定を行なうことが多い。その際,とくに高年者で,左右の血圧に大きな差を認める人をしばしば発見する。そこで,私たちは,何歳ぐらいから左右の血圧に差を生ずるようになるのか,また血圧は左右いずれの腕で計ったらよいのか,などという疑問を持ち,これらの諸点について追求し,いささか知見を得ることができたので,ここにその一部を紹介し,皆さんのご批判を乞うしだいである。
2.解剖学的事項および血圧の成立等について
解剖学的に,上肢の脈管系をみると第1図のように心臓より出た大動脈弓は,右側では腕頭動脈を経て,右鎖骨下動脈となり,次いで右腋窟動脈,さらに右上腕動脈へと走行している。また左側は大動脈弓より直接に,左鎖骨下動脈に移行し,左腋窯動脈次いで,左上腕動脈となっている。一方,血圧の成立については,最高血圧は主として心臓の収縮力および大きな動脈の弾力性によって決定され,最低血圧は主として末楕血管の抵抗によるとされている。そして,健康日本人の正常血圧基準値としては,第1表に示したとおりである。また豆江圧測定にあたって注意すべぎ專項として吐第2表に示したようなことが記載されている。
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