カラーグラフ
食道鏡検査
近藤 台五郎
1
,
遠藤 光夫
2
1東京女子医大消化器病センター内科
2東京女子医大消化器病センター外科
pp.256-257
発行日 1969年3月10日
Published Date 1969/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202573
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従来,治療面を中心に発達してきた食道鏡検査は,食道ファイバースコープの出現で,診断的な面で,一般内科・外科医の間に広く普及してきている.食道はX線検査上,圧迫のきかない臓器であり,どうしても浅い陥凹性小病変に対しては盲点が多くなり,食道鏡検査の意義は大きいと思う.
現在の国産の食道ファイバースコープは,撮影写真では,レンズ系でのものに比べやや劣るが,その柔軟性のほかに,先端の屈曲効果があるので1)視野の盲点がほとんどない,2)接眼部で像を拡大視できるので常に微細診断ができる,3)照明は鏡外光源よりライトガイドファイバーを用い導けるので安全である.4)同時に撮影・生検・細胞診などを併用できる,などの長所をもっている.検査の禁忌については,硬性食道鏡に比べ,はるかに少なくなっているが,胸部大動脈瘤.重症心疾患,急性腐蝕性食道炎には,十分注意しなければならない.以下,症例を供覧するが,これは硬性撮影用食道鏡によるフィルムである.
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