病歴のとりかた
中枢神経疾患
横山 巌
1,2
1神奈川県老人福祉事業団七沢病院
2東大物療内科
pp.1354-1357
発行日 1968年11月10日
Published Date 1968/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202448
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神経学的検査は病巣の位置診断に,病歴は疾患の性質と原因の診断に役だつ
中枢神経疾患の特徴として,神経学的な局所症候は病変の性質にかかわらず,同一部位に生じた病変は常に同一の神経学的症候を呈することがあげられる.すなわち,脳あるいは脊髄内のある一定の場所に生じた病変は,それが出血であっても,血栓,塞栓,腫瘍,膿瘍であっても,神経学的症候は同一であり,その症候は脳脊髄内の部位によって規定されているわけである.
この病巣の位置診断は精細な神経学的検査法によって可能となるわけであるが,病巣の性質や原因に関しては,現症の検査は時間的な追求がなされないかぎりは,なんらの情報をも提供してくれない.
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