診断のポイント
胸部レ線像に現われたおとなと子どもの違い
石田 尚之
1
1慶大小児科
pp.723-724
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202249
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発育の時期で変わる小児のレ線像
レ線写真はあくまでも"影"であって,視覚でとらえられるものであり,ある厚みをもった立体を平面でみるものであるから,いつでも,その陰影を構成する実体を把握していてそれを頭のなかで対比しながらみてゆかねばならない.ところが,小児においては発育という現象があり,胸郭の形も,気管支も,肺自体もそれぞれ特有の発育のパターンを示し,それが全体としての腕部レ線像を構成するときは,おのおのの発育の時期によってめまぐるしい変化をとげる.
したがって,小児期の胸部レ線を読影するさいには,小児科学的な理解にもとづき,発育期の生体のもつ独自の特徴をよく理解したうえで成人とは異なったレ線像解読がなされねばならない.
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