特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
II.呼吸器系
4.呼吸器疾患診断に必要な検査
胸部レ線像に現われたおとなと子どもの違い
石田 尚之
1
1慶大小児科
pp.959-961
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204165
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発育の時期で変わる小児のレ線像
レ線写真はあくまでも"影"であって,視覚でとらえられるものであり,ある厚みをもった立体を平面でみるものであるから,いつでも,その陰影を構成する実体を把握していてそれを頭のなかで対比しながらみてゆかねばならない.ところが,小児においては発育という現象があり,胸部の形も,気管支も,肺自体もそれぞれ特有の発育のパターンを示し,それが全体としての胸部レ線像を構成するときは,おのおのの発育の時期によってめまぐるしい変化をとげる.
したがって,小児期の胸部レ線を読影するさいには,小児科学的な理解にもとづき,発育期の生体のもつ独自の特徴をよく理解したうえで成人とは異なったレ線像解読がなされねばならない.
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