診断のポイント
悪性腫瘍による閉塞性黄疸の日常鑑別診断
大島 誠一
1
1社会保険埼玉中央病院内科
pp.470-472
発行日 1968年4月10日
Published Date 1968/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202168
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現在,閉塞性黄疸は,肝外胆道系になんらの閉塞性機転を認めずに,著明な胆汁うつ滞像を示す,いわゆる"intrahepatic cholestasis"と,肝外胆道系の機械的閉塞ないし狭窄にもとづく,外科的黄疸に分類されるが,この閉塞性黄疸の鑑別は,多忙な第一線の臨床医にとって,きわめて困難なものの一つである。しかも,これら黄疸の初期の患者に接する機会は,大病院医師よりも,私ども第一線病院の医師に,はるかに多い。そして本疾患の性質上,私どもは患者の予後と将来に対して重大な責任を負つていることを考え,閉塞性黄疸—ことに悪性腫瘍にもとづく黄疸に特徴的と思われる,二,三のポイントを,日常の検査成績と臨床症状から考えてみた。
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