器械の使いかた
肺活量計
梅田 博道
1
1東京医歯大第二内科
pp.106-107
発行日 1968年1月10日
Published Date 1968/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202075
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肺活量を見なおそう
肺活量の概念は,古くHutchinsonに始まり,その測定はよく知られている。つまり,肺活量とは最大吸気にひきつづいて,肺から吐き出しうる最大のガス量をいう。しかし,この場合,ゆつくりと吹かせるか,できるだけ力強く呼出させるかが問題である。
昔は,解剖学的な肺の大きさを知る指標としてのみ肺活量を使つた。つまり,ガス量,volumeの測定だけであつた。現在では,これに加えて,肺活量を吹く時間も考慮し,空気の流れ,つまり流量も問題となつている。したがつて,最大吸気位からゆつくりと頑張つてはき出す肺活量と,最大吸気位からできるだけ力強く一気にはき出す努力性肺活量をわけて測定し,換気障害を区分しなければならない。このためには従来のHutchinsonの肺活量計ではだめで,どうしてもスパイログラフィーが臨床に必要だということになる。ここに肺活量計の使い方というテーマを頂戴したが,今や肺活量計とはスパイロのことをいうと考えていただきたい。つまり,肺活量を新しい立場で見なおそうというわけである。
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