病歴のとりかた・1
呼吸器疾患
河盛 勇造
1
1国立泉北病院
pp.64-66
発行日 1968年1月10日
Published Date 1968/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202064
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予診のとりかたしだいで,診断が容易になつたり,あるいは思わぬ誤りをしてしまうのは,呼吸器疾患にかぎつたことではない。しかし最近老年層人口の増加や,結核が化学療法によつて死亡を免れるようになつたことなどにより,特に複雑化した,肺・気管支系の疾患では,病歴をとる場合に留意せねばならぬ事項が,増えてきたと思える。予診のために時間をかけるのが,なんだかもどかしく,また興味のうすいことのように考えられがちであるが,呼吸器疾患の診療にさいしては,このむだに思える努力によつて,最終的には貴重な時間と,精神的,肉体的労力を節約できるものであることを,最初に強調しておきたい。
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