巻頭言
日本胸部疾患学会の開催にあたって
河盛 勇造
1
1熊本大学医学部第1内科
pp.491
発行日 1965年7月15日
Published Date 1965/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201465
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昔の呼吸器病学,もっと正確に申せば結核化学療法が進歩していなかった時代の呼吸器病学は,結核病学がその主体をなしていた。呼吸器疾患と言えば,肺結核の代名詞のごとく取り扱われていたのは,巷間の肺病におけると同様であった。外国でもchest diseaseをもってpulmonary tuberculosisを意味していたようである。
もちろん当時でも肺結核以外に重要な呼吸器疾患が,研究の対象に取りあげられていたわけで,ことに急性肺炎に関しては多方面からの研究が行なわれ,多くの報告がなされている。しかしこのような肺炎の研究業績を,どの学会において発表すべきかについて,私共は困ったものであった。結核病学会の演題として提出し,類症という項目の中で発表させてもらったことがある。
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