文献抄録
鉄欠乏性貧血はきわめて多い—JAMA March 20, 1967 Wintrobe "Clinical Hematology"
浦田 卓
pp.1639-1640
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202000
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JAMAの3月20日号(1967)に"健康な若い女子大学生と鉄欠乏"Iron Deficiency in Healthy Young College Womenという題の研究がのつている。その要旨は,出血異常も妊娠も経験したことのない白人の女子大学生114名について,その鉄貯蔵量をしらべたところ,彼女たちは社会経済的にはある程度恵まれた階層に属しているにもかかわらず,その2/3に鉄貯蔵量が欠乏または欠如していたというのである。これは,私たち一般実地医家にとつては,はなはだ興味の深い研究である。
私たちは一般に,病気がかなり顕現化してはじめて,それと診断しがちである。しかし,臨床検査とくに生化学的なそれが一般実地医家のあいだに普及したこんにちでは,潜在性疾患―このばあいは臨床的な意味において,である―の掘り起こし,つまり顕現化の必要性が,最近における疾患の予防と早期発見の強調と相まつて,漸次注目されはじめた。潜在性糖尿病の早期診断などは,そのよい例であろう。
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