治療経験から
臨床催眠医学治験
小島 信一
pp.1431
発行日 1967年10月10日
Published Date 1967/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201947
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催眠術は神秘的なものであつて特殊な人にのみ可能な霊術のごとく考えられていたが,現代においては心理学の一分野として科学的に解明され,ひととおりの修業をつめば,実地医家に必要な程度の技術は習得可能なものであることが闡明され,九大池見内科において心身症の治療に大きくとりあげられ,ようやくわが国においても臨床応用が漸次脚光をあびるにいたつた。
臨床催眠医学の応用範囲は多岐にわたるが,最近とみに増加しつつある精神身体障害には,従前の治療法に依存しては難治なものに薬物療法と併用または単独に試みて卓効を奏する場合のあることが報告されている。 私は斯学に志して日なお浅い者であるが,たまたま著効を奏した症例に遭遇したのでこれを報告し,先輩諸賢のご参考に供したいと思う。
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