EDITORIAL
亜急性甲状腺炎
鈴木 秀郎
1
1東大吉利内科
pp.839
発行日 1967年6月10日
Published Date 1967/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201815
- 有料閲覧
- 文献概要
現在甲状腺炎のなかで,独立疾患であることが明らかにされているものは慢性甲状腺炎(橋本病)および亜急性甲状腺炎の二つである。亜急性甲状腺炎は1902年スイスの外科医DeQuervainによつて初めて報告された疾患で,中年の女性に好発し,発熱・有痛性甲状腺腫をもつて発病し,亜急性に経過し,完全に治癒する予後可良な疾患である。
この疾患はいまなお原因が不明で,病理組織学的にも結核やRiedel型甲状腺腫と誤られ,種々の混乱をまねいてきたが,近年ようやく独立疾患として広く認識されてきた。日本においてこの疾患の正確な概念が理解されるようになつたのは昭和30年以後のことで,東大第2外科藤本吉秀博士の努力におうところが大きい。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.