診療相談室
軽症の亜急性甲状腺炎について
鈴木 秀郎
1
1東大・第1内科
pp.531-532
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205402
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質問 最近4〜5年ですが,亜急性甲状腺炎のような,いわゆるStruma migransといった状態で,無熱あるいは微熱ていど,甲状腺の腫脹(軽度),圧痛あり,血沈はせいぜい軽度亢進ていど,膠質反応に異常なく,ほんの短期間の副腎皮質ホルモンの使用で治癒するような症例(多くは中年女性)を3〜4例経験しましたが,私は亜急性甲状腺炎と考え処置していますが,いかがでしょう.なお,BMR,トリオソルブなどほとんど正常,1例のみ他の原因を除外できませんが,PBIの上昇(10.2/dl)がありました.(東京都S生)
答 御質問の症例は,記載された所見からいえばいかにも軽症あるいはある程度経過した亜急牲甲状腺炎らしくみえますが,2,3の点で記述が十分でない点があり,それだけでは決めかねるところがあります.以下それらの点についてのべてみます.
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