統計
わが国の医師の現状
菅沼 達治
1
1厚生省統計調査部
pp.323
発行日 1967年3月10日
Published Date 1967/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201683
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医師法にもとづき,皆様方から毎年12月31日現在で医師届出票を保健所に送つていただいておりますが,これは医療および公衆衛生行政の基礎資料を得るためのものであります。ここではその結果のうち一,二をご紹介いたしましよう。
表のとおり,10年前は医籍登録者は10万人に達しませんでしたが,昭和34年には10万人をこえ,40年の末には約10万9千人となつています。これを国民10万入についてみますと111.3であり,医師1人について国民900人という割合です。医師の93.3%は臨床医であり,このうち医療施設の開設者は50.5%,勤務医42.8%であります。40年を10年前と比べますと,臨床医全体では18%の増加となつています。このうち勤務医の増加は17%ですが,開設者は24%と増加がめだつています。これは医療施設について,この10年間に病院は2千たらずの増加でありますが,一般診療所は1万3千もの増加をみせていることを反映しています。このような臨床医の方たちの増加に比べ,医療施設以外の従事者は21%も減少し,とくに医学の基礎研究,教育などにたずさわつている医師がその需要の増大にもかかわらず,実数にして千人近く,28%もの減少を示していることは重大な問題であります。また,衛生行政や保健業務に従事している医師も14%減少し,これは公衆衛生行政の立場から一考されるべき問題と思われます。
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