今月の臨床 脳性麻痺─発症防止への挑戦
脳性麻痺の原因と動向
2.わが国の現状
石渡 勇
1
1石渡産婦人科病院
pp.891-898
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103481
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●産科医療補償制度は,全分娩機関3,335施設の99.8%(3,328施設)が加入し,わが国の出生児の99.9%をカバーしている.
●脳性麻痺(cerebral palsy : CP)児で補償対象者は,出生体重2,000 g以上かつ在胎週数33週以上で,看護・介護の必要性が高い重症者(身体障害者等級の1級または2級)を一般審査の対象とする.在胎週数28週以上の児についても個別審査によって対象となることがある.
●2009年に出生した事例143件と2010年に出生した45件の合計188件について,CPの原因を検討した.単一の原因で起きたCP 106件,複数の原因で起きたCP 39件,原因が明らかでないまたは特定困難なCPが43件であった.単一の原因で起きたCPでは,常位胎盤早期剝離が45%,臍帯脱出とその他の臍帯因子が28%と両者で3/4を占めていた.
●常位胎盤早期剝離の83%が分娩前に主に自宅で発症しており,妊婦への予防のための啓発が求められる.
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