特集 尿糖
糖尿—その排泄機序と考えかた
小坂 樹徳
1
1東京女子医大・内科
pp.189-192
発行日 1967年2月10日
Published Date 1967/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201654
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臨床上,糖尿とは通常の検査法で陽性反応を呈する場合をいうが,わずかのブドウ糖は健康者でも尿中へ排泄されるといわれる。この生理的な微量のブドウ糖排泄は,通常の食餌量では摂取後もほとんど影響されず,したがつてまたその機構も臨床上証明しうるブドウ糖尿の排泄機構とはまつたくべつのものと考えられている。
糖尿は大部分ブドウ糖尿(glycosuria)であるが,そのほかに五単糖尿,乳糖尿,ガラクトース尿,果糖尿などがあり,これらすべてを含める場合にはmelituriaとよぶ。尿糖検出法には還元法,醗酵法,酵素法,施光法,phenylhydrazin法などがあるが,わが国で従来一般に用いられていたNylander法,Benedict法,シノテスト1号などの還元法は各種の糖質のみならず薬物服用後グルクロン酸が尿中に排泄されて陽性反応を示す場合もある。ブドウ糖酸化酵素を利用した最近のTes-tape,Clinistixはブドウ糖にのみ特異的である。
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