特集 在宅での排泄ケアを見直す
ヘルパーの立場から排泄ケアを考える―本人「当事者」にとっての排泄の苦しみ
釜土 禮子
1
1全国介護福祉士・介護福祉研究会
pp.417-421
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901821
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気持ち良く,すっきりと,何の気がねもなく排泄ができる.こんなごく当たり前のことが同じ人間なのに望めなくなってしまい,つらく苦しい思いをしている人がたくさんいることをヘルパーになって知りました.
在宅介護の排泄の問題は,当事者の状態だけでは対応できないことが多くあります.介護者が常時いるのか,いないのか.介護者の介護力はどうか.介護者の排泄に関するおもい,知識はどうか.等,複雑に入り交じっていて,介護者がいても,問題が見えていても,ストレートに解決することが難しい現実があります.介護力がない場合,排泄行為は当事者が(精神・身体両方の)機能面で完全に自立できないと,即オムツ対応になりやすいのです.どんな方法であれ,その人にあった完全自立の方法を見つけ出す.そしてまたそれは,当事者も介護者も納得できるものでなければならないのです.
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