話題
第6回健康管理研究協議会総会から
秋山 房雄
1
1東大成人保健学
pp.1549
発行日 1966年11月10日
Published Date 1966/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201535
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今回のテーマも,昨年と同様「これからの健康管理」であつたが,昨年は,社会福祉計画,公衆衛生行政および臨床医学の立場から健康管理への期待が述べられ,さらに健康管理の目標をいかにとらえるかについては,衛生統計,マンパワーの開発の面から,また,その目標達成への方途については管理技術と管理能力の向上の面から論じられた。そこで今回は,ここで一度「健康」という概念の整理をしておき,今後の発展のための基礎工作の一つをすることになつたのである。
まず,東大勝沼晴雄教授は「健康とは何か」といつてもこれを定義することはきわめて困難で,WHOの定義を一つの仮説としてこれを健康管理にかみ合わせて考えてみると,事業所で行なわれている健康管理は労務管理の一つであり,全入的な健康管理は地域社会においてのみ可能であると述べられた。また,健康水準の示標としては,集団として死亡率,平均余命,PMIなど比較的よいものがあるが,個人の場合には,抽象的な方法が多く,具体的でしかも適確につかまえうるよいものがないとのことであつた。
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