話題
新しいリハビリテーションの理論と実際—健康管理研究協議会2月例会から
秋山 房雄
1
1東大・保健学科
pp.769
発行日 1966年6月10日
Published Date 1966/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201324
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健康管理に従事している医師,保健婦,厚生担当者たちの勉強の場として,すでに長い歴史をもつている健管協が,2月例会としてとりあげた,「新しいリハビリテーションの理論と実際」には,約250名の参加者があり,その道の第一人者である4名の講師から,つぎのような講義があつた。
まず,福井圀彦博士(鹿教湯温泉療養所長)は「脳卒中のリハビリテーション」について述べられ,従来,ともすれば,再発をおそれて,長期にわたり,絶対安静を患者に命じ,そのためみじめな関節の強直状態をつくつて再起を妨げていたが,最近では,早期に,計画的なリハビリテーションを行なうことによつて,きわめてよい成績を得ていること,およびリハビリテーションの具体的方法を,多数のスライドを用いて説明された。 脳卒中のリハビリテーションには,3つの要素が含まれていて,その一つは,脳卒中発作以前の異常(動脈硬化,高血圧,糖尿病,その他脳の血管の異常など)の管理であり,第二は,脳卒中そのものによつて起きてきた麻痺,失語症,失行症などの改善,第三は,発作後にひきつづいて起こつてくる種々の変形の予防および治療である。
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