文献抄録
日常診療と悪性貧血—Blood 27:599-610, May, 1966;Brit. Med 1:1149-1151, May 7, 1966
浦田 卓
pp.1479
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201520
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悪性貧血,つまりB12欠乏症は日常診療でそう多いものではない。しかし,そう珍しいものでもないようである。日常診療におけるその頻度は,医師の診療様式によつておおいに左右される。
まずたいせつなのは,悪性貧血の古典的三主徴,すなわち非力,舌痛,四肢のしびれとぴりぴりする感じは,もはや日常診療ではほとんど絶無といつてもよいということである。これは,近年B12または肝臓製剤が保健薬のなかに少量ながら含まれているからであろうと思われる。したがつて,われわれのみるのは,たいてい,悪性貧血のない悪性貧血症,つまり軽症のB12欠乏症がほとんどである。
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