増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
血液化学検査
127.Base excessとanion gap
川口 哲
1
,
吉矢 生人
1
1大阪大学医学部・麻酔学
pp.1936-1937
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222816
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●Base excessとは何か
血液のpHは呼吸性因子であるCO2分圧(以下Pco2)と代謝性因子である血漿重炭酸イオン濃度(以下HCO3-)によって規定される.Pco2が肺胞換気量によって支配されるほぼ純粋な呼吸性因子の指標であるのに対し,〔HCO3-〕はPco2の影響を受け,〔HCO3-〕以外のバッファーであるHb,リン酸,蛋白などの因子が表されていない.ここでより包括的な代謝性因子の指標が求められ,base excess(BE)という概念がSiggaard-Andersonらによって導入された.
BEの定義は「血液をin vitroでPco240torr,37℃としたときにpHを7.40に戻すのに必要な強酸あるいは強アルカリの量(mmol/l)」であり,正常な状態からの偏差を示す.強アルカリが必要なときはbasedeficitとも呼ばれる.
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