診断のポイント
内科医に見おとされている緑内障
桐沢 長徳
1
1東北大眼科
pp.360-362
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201215
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ふえつつある緑内障
治療法の進歩した現在でも,緑内障という病気はなかなか厄介で,ある程度以上に進んだものはそれ以上の進行を止められれば結構というぐらいのところで,これを健常眼の状態にまで恢復させることはむずかしいとされている。しかも,緑内障の進行は患者自身にも分らずにいることが少なくないので,アメリカなどでは最近,高血圧やガンなどと同じように成人病集団検診の対象とされることが多くなつて来た。
緑内障はいうまでもなく,大多数は成年以後に起こる病気であるから,寿命がのびて老人が多くなるほど重視されるようになつて来るわけである。せつかく寿命がのびても,失明してしまつては長寿を楽しむことができないのは当然であり,しかも本症は広い意味での神経系疾患に属するので,ストレスの多い現代の生活ではますます増加する傾向にあるともいえる。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.