診断のポイント
見おとされている三尖弁閉鎖不全
仁村 泰治
1
,
榊原 博
1
1阪大第1内科
pp.73-79
発行日 1970年1月10日
Published Date 1970/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202942
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三尖弁の障害はこれまで臨床上等閑に付される傾向が強かったが,昨今の心臓病学における診断・治療の発展に伴い,その診断も望まれるようになってきた.
三尖弁閉鎖不全の諸徴候はとかく他の症状により隠されがちであるが,少なくともリウマチ性弁膜症の患者で,特に右房の拡大がいちじるしいとか,一般状態に比して肝腫大の程度が強く,また容易に消褪し難い場合には,まず三尖弁閉鎖不全の併存の可能性が強いと考え,Rivero-Carvallo徴候,頸静脈の収縮期性拍動,肝臓の収縮期性拍動などの特異的な所見の存否に注目すべきである.
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