特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
VII.神経糸
7.見逃がされやすい疾患
内科医に見おとされている緑内障—および医原性疾患としてのステロイド緑内障
桐澤 長徳
1
1帝京大眼科
pp.1283-1285
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204284
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ふえつつある緑内障
治療法の進歩した現在でも,緑内障という病気はなかなか厄介で,ある程度以上に進んだものはそれ以上の進行を止められれば結構というぐらいのところで,これを健常眼の状態にまで恢復させることはむずかしいとされている,しかも,緑内障の進行は患者自身にも判らずにいることが少なくないので,アメリカなどでは最近,高血圧やガンなどと同じように成人病集団検診の対象とされることが多くなってきた.
緑内障はいうまでもなく,大多数は成年以後に起こる病気であるから,寿命がのびて老人が多くなるほど重視されるようになって来るわけである.せっかく寿命がのびても,失明してしまっては長寿を楽しむことができないのは当然であり,しかも本症は広い意味での神経系疾患に属するので,ストレスの多い現代の生活ではますます増加する傾向にあるともいえる.
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