話題
肝疾患に対する超音波診断—日本超音波医学会パネルディスカッションから
星野 列
1
,
市原 昭夫
1
1広島大外科
pp.313
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201200
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昭和40年11月26,27の両日,広島大学会館で開催された日本超音波医学会第8回研究発表会において,「肝疾患の超音波診断」がパネルディスカッションとしてとりあげられ,順天堂大和賀井講師と岡山大貞本博士を座長とし7名のパネリストにより熱心な討議が行なわれた。胆石症に対する超音波診断の価値はすでに広く認められているが,肝疾患に対する診断的応用は数年前から報告をみるようになつているものの,まとまつた討議が行なわれたのは今回がはじめてのことである。
慢性の経過を示す肝疾患の補助診断法には種種なものがあるが,各種の肝機能検査は肝全体としての機能の反映であり,肝障害を発見する不可欠な方法ではあるが個々の肝疾患に対して必ずしも特異的でなく,鑑別診断の方法としては限界がある。肝生検や腹腔鏡検査は形態学的変化を知る上で確実重要な方法であるが,やや複雑な操作を要し,また,所見の得られる範囲がかなり限定されるという欠点がある。
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