文献抄録
ウイルス性肝炎にたいしてはプレドニゾン療法は無効—Lancet March 7 1964より
F. de Ritis
1
,
G. Giusti
1
,
L. Mallucci
1
,
M. Piazza
1
,
浦田 卓
1ナポリ大学伝染病教室
pp.1256-1257
発行日 1965年8月10日
Published Date 1965/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200963
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はじめに
ある薬が効くか効かないかの判定法には,いろいろな種類がある。しかし,厳重な統計学上の要請に沿つて計画された二重盲検法double-blind trial以外のものは,2,3のものを除いては,まず無意味である。これは,いまからほぼ20年ほどまえ英国で,つづいて数年遅れて米国で,それぞれ十分理解されたことである。しかるに,わが国の医師のあいだでは,このことがまだよく理解されていないらしい。というのは,各大学の教室から報告される薬の効果判定の臨床的データには,不可欠な同時コントロールがほとんど絶無といつてもよいからである。
そういうわけで,東大物療内科の高橋晄正博士が指摘せられているように,わが国の医学のレベルは他の点はいざ知らず,薬効の判定という点だけに限れば,英・米にくらべて20年も遅れている,といつてもあえて過言でないような気がする。
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