医学ごよみ
3月—March 彌生
木村 專太郎
1
1医療法人喜悦会那珂川病院
pp.287
発行日 1997年3月1日
Published Date 1997/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902068
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□4日 解体新書誕生のきっかけ
明和8年(1771)のこの日に江戸の千住,小塚原(骨ケ原)の刑場で青茶婆のあだ名で知られた悪女が処刑され,そのとき「腑分け」(解剖)の施行予定があった.町奉行の曲淵甲斐守の家臣から親切な申し出があり,前野良沢,杉田玄白と中川淳庵の3人の医師が,その腑分けを見にいった.
そのとき,良沢は懐中から大切な一冊の蘭学書を出し,「これはターヘル・アナトミアというオランダの書物であり,長崎へ行ったときに購入した」と話した.玄白も淳庵の紹介で同じ本を手に入れており,その日に持ってきていた.
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