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TRASYLOL
佐久間 昭
1
1東京医歯大心研薬理
pp.560
発行日 1965年4月10日
Published Date 1965/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200786
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Trasylolはウシの耳下腺やリンパ節から抽出,分離された塩基性polypeptideであり,分子量は11,000〜12,000,16種のamino酸,約100コから成るという。等電点はpH9〜10である。
Trasylolはkallikreinの阻害剤として発展したものであるが,trypsin,plasrnin,chymotrypsinなどの蛋白分解酵素にも阻害作用を示す。したがつて,いわゆるplasma kinin類の生成阻害を示す。臨床的には急性の膵臓炎,とくに酵素活性の高い場合の治療に応用され,また,その予防にも利用される。その効果は,おそらく,kallikreinやtrypsinなどに対する阻害作用によるものと思われる。また,耳下腺炎にも応用される。
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