特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅲ 体外衝撃波砕石術(ESWL)
056 術後の皮下出血を軽減したい
佐藤 嘉一
1
,
丹田 均
1
,
戸邉 武蔵
1
Yoshikazu Sato
1
,
Hitoshi Tanda
1
,
Musashi Tobe
1
1三樹会病院泌尿器科
pp.160-161
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102303
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Q 術後の皮下出血をできるだけ避けたいと訴えている症例。ESWL施行後の皮下出血を軽減するための工夫はないか。
[1]概 説
体外衝撃波砕石術(extracorporeal shock wave lithotripsy:ESWL)は,1985年に国内第一号機が当院に導入されて以来1),非侵襲的治療として尿路結石症の治療の中心を担っている。ESWL治療による長期的および短期的合併症として種々のものが報告されているが,高齢者,小児にも長期的な安全性を認めた報告が多い2,3)。皮下血腫は,腎皮膜下血腫,治療中の疼痛とともに短期的合併症の1つである。しかしながら,皮下血腫が比較的軽微な合併症であるため,その頻度など詳しい報告は少ない。当院では,HM-3を用い2年5か月間の1,426回のESWLでの検討において,10例の明らかな皮下血腫を認めた4)。また皮膚の変色(bruising)は,小児では6割で認めるとの報告もある。
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