診断のポイント
甲状腺機能低下症
七条 小次郎
1
1群大内科
pp.214-216
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200688
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診断の手がかり—まず視診
本症の診断にあたつて何を手がかりとするかというとまず視診をあげねばならぬと思う。
いままで私が扱つてきた症例の数は多くはないが,ことごとく視診にこり特有な皮膚所見と顔貌を見つけており,蒼白で荒れた,乾燥した皮膚をしていて,何か,ねぼけたような顔つきで瞼がはれぼつたい感じのする患者のなかから本症が見出されている。皮膚と顔貌の二つでおよそ見当をつけてから詳細な問診,視診,触診,聴打診,その他の諸検査をすすめていくわけであるが,問診を行なうにあたつては体の弱り,嗜眠,寒がり,発汗低下,記憶減退,便秘傾向,呼吸困難,声のかれ,おしやべりののろいこと,食思不振,月経困難,動悸,耳の聞こえの悪いこと,心部痛などに気をつける必要がある。
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