メディチーナジャーナル 健康管理
家庭・職場・学校をめぐる動向
山本 武彦
1
1順天大公衆衛生
pp.1101
発行日 1964年10月10日
Published Date 1964/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200533
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現在の健康管理活動は,大別して事業所,学校,地域住民に対して実施されている。事業所はとくに個人ならびに集団そして労働環境がよく整理されやすい対象であるが,このためには秀れた産業医または健康管理組織(チーム),理解ある経営者を持たなければ実際にはむつかしい。そういう人を得ている企業体の労働者は必ずしも多くない1)。事業所の健康管理は入社時の身体(心)検査から停年まで各種のものが行なわれている。したがつて一部の企業では内容は高度になり,成人病対策は各種がんの早期発見まで伸展されている。また一方複雑な勤務,生活環境を反映して精神衛生面の分野が重視され精神健康管理活動(対策)となつてその仕事の領域を拡大されつつある。一方結核,事故などの職場復帰,労務,厚生,人事対策に,事業所医師の健康管理には,広い社会性と真摯なる態度が要求されると同時に,健康管理組織の一員としての重要性が増えてきているといえよう。学校には,学校基本法,保健法などの定めるところによる生徒,学生に対する定期健康診断の他に,栄養問題にも無関心ではいられない。
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