治療のポイント
尿路感染症の治療剤としてのサルファ剤
大越 正秋
1
1関東逓信病院泌尿器科
pp.859-860
発行日 1964年9月10日
Published Date 1964/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200458
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尿路感染症の傾向
尿路感染症の起炎菌として最近,桿菌が増えており,桿菌のうちでも諸種薬剤に抵抗する菌株が増加の傾向にあり,ことに変形菌や緑膿菌も増えている1)。したがつて化学療法を行なう場合は桿菌に効果のあるもののほうがよいわけで,ペニシリンやマクロライド系薬剤は不適当で,コリマイシン,カナマイシン,ストレプトマイシンなどのほうが的中率が高い。ただこれらはみな注射でないと効かないので使いにくい点が困るのであるが,最近は内服薬でグラム陰性菌(大部分の桿菌がこのなかにはいる)専門という薬(ウイントマイロン)も現われてきた1)。
桿菌,球菌を問わず効くものといえば,クロロマイセチン,テトラサイクリン群,アミノベンジルペニシリンなどとともに,ここにとりあげるサルファ剤があり,起炎菌の薬剤感受性がわからない場合に一応用いるのに適している。
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