症例 誤診されやすいレントゲン写真
早期胃がんと良性びらんの鑑別
白壁 彦夫
1
1千葉大内科
pp.564-567
発行日 1964年7月10日
Published Date 1964/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200374
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症例 1.粘膜内がん(IIc,表面陥凹型)
IIc(表面陥凹型)の早期がんも良性びらん(村上分類UI-1)も,肉眼的には,ごく浅い陥凹であつて,両者の鑑別診断はむづかしい。小さな粘膜がんも適確に診断しようとすると,いつもなやまされる。そこで,両者の代表的症例を1例ずつ取上げてみた。
IIcも,びらんも,X線的には「淡い陰影斑の中の顆粒状陰影」として現われる。これが原則であるが,ときに頼粒状陰影だけのこともある。粘膜ひだは,通常,陥凹部の辺縁で消失する。なお,胃の変形や粘膜集中が著明なときには,瘢痕または潰瘍の合併を考えてもよさそうである。
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