簡易臨床検査のやり方と評価
腎クリアランス—とくに糸球体濾過量について
加藤 暎一
1
1慶大内科
pp.172
発行日 1964年5月10日
Published Date 1964/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200258
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腎は体液Homeostasis維持のために,諸種の物質を排泄あるいは保蓄する。ゆえに腎機能障害のとき,血中に停滞する物質と,体内に欠乏する物質とがある。従来は尿または血中の諸物質を別個に測定したが,単独に考察するより,同時に両者の濃度を比較対照する方が,より正確に腎機能を示すことは当然である。
今,P=ある物質の血漿(または血清)中濃度/cc
U=その物質の尿中濃度/cc
V=1分間の尿量(cc)とすれば,
UV/Pは1分間に尿中に排泄されたある物質が血漿何cc中に含まれていたか,(血漿何ccがその物質に関しclearにされたか)を示すので,腎クリアランス(clearance)と呼ぶ。
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