検査データを考える
腎クリアランス検査
猪阪 善隆
1
,
今井 圓裕
1
,
堀尾 勝
1
,
鎌田 武信
1
1大阪大学医学部第一内科
pp.159-162
発行日 1996年2月1日
Published Date 1996/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902625
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はじめに
1921年Van Slykeが尿素クリアランスの概念を初めて確立して以来,内因性・外因性の諸種物質のクリアランス測定へと応用され,それらの物質が腎臓のどの部位で排泄されるかによって,糸球体機能,尿細管機能,腎臓の血行動態を定量的にとらえることが可能となった.現在では腎の複雑な機能の評価のため数々のテクニックが駆使され,微細な部分の機能に至るまでの新しい知見が次々に得られてきているが,個体の絶対的・相対的な腎機能の把握,ならびに基礎的な機能のモニターの面でクリアランス法の必要性はまったく失われていない.
本稿では腎機能を評価するためのいくつかの腎クリアランス検査について概説するとともに,臨床指標として最も頻用されるクレアチニンクリアランス検査については,検査上の問題点などについても詳しく解説したい.
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