メディチーナジャーナル
社会医学
黒子 武道
1
1東大衛生学
pp.84
発行日 1964年4月10日
Published Date 1964/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200237
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近年における,広い意味で医学の領域の注目すべき1つの動きは,社会医学的研究の擡頭であろう。わが国の社会医学が,主として戦後における社会的経済的条件の変化,特に階級格差や地域格差の増大,人口構造の質的変化による疾病像や死因の変化,国民皆保険計画の進行と医療制度における諸矛盾の社会問題化を契機として,戦後の新しい制度下の公衆衛生活動,特に医療保障や衛生行政に対する批判や反省として推進されたことはきわめて興味深い点であり,わが国の社会医学の性格とその特殊性がうかがわれる。
昭和35年に正式に発会を見た社会医学研究会は,昨年の岡山における第4回総会まで通算5回の研究発表会を持ち,その間シンポジウム,一般講演など約100題が討議に上つた。
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