メディチーナジャーナル
呼吸器
梅田 博道
1
1東京医歯大・内科
pp.83
発行日 1964年4月10日
Published Date 1964/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200236
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肥満した人が息切れ,どうきを訴えることは古くより知られている。しかし,極度の肥満を1次的な原因とする心肺機能障害についてはじめて報告したのはSiekerら(1955)で,これをobesity heart diseaseと名づけた。極度の肥満は日本ではあまり見受けないが,欧米ではかなり多いようである。わが国でもこれからはふとりすぎの害が問題になると考えられるので,ここに紹介したい。
病的肥満者の胸部レ線の特徴は横隔膜の挙上である。脂肪組織の増加により,横隔膜が高位をとりPhrenicocostal Winkelは開く。また心陰影は横位をとり,一見拡大したように見える。心電図では右軸変位,右心負荷がみられ,低電位差,auricular fibrillationをみることもある。
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