診断のポイント
くも膜下出血
相沢 豊三
1
1慶大・内科
pp.49-51
発行日 1964年4月10日
Published Date 1964/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200223
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くも膜下出血の主な原因
本症は頭蓋内血管の破綻によりおこつた出血が,くも膜下腔に達したものをいう。したがつて成因として,頭部外傷・出血素因・脳腫瘍・中毒ないし新陳代謝障害あるいは炎症性疾患などが挙げられるが,これらの場合いずれも脳実質内の出血が主たるもので,くも膜下出血は続発性ともいうべきである。ここでは髄膜とくにくも膜における血管の破綻によるものであり,出血は主としてくも膜下腔にあり,脳実質内出血はあつても少ないものについて述べるわけで,それは従来,原発性くも膜下出血と呼ばれていたものであるが,剖検によりまた脳動脈撮影によつて,その成因の第1は動脈瘤であり,第2は血管腫であることがわかつたのである。診断のポイントも,そのおのおのについて述べることとしよう。
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