書評
―酒見英太 監修 上田剛士 著―ジェネラリストのための内科診断リファレンス―エビデンスに基づく究極の診断学をめざして
岩田 健太郎
1,2
1神戸大大学院・感染症治療学
2神戸大病院感染症内科
pp.1075
発行日 2014年6月10日
Published Date 2014/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107628
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さて,本書を読み始めて数ページで何をしたかというと,すぐに感染症内科実習の必須教科書に指定した.チュートリアル部屋と初期研修医部屋にも購入するよう提案.できれば,指導医みんなにも配って回りたいくらいである.
内容は実に重厚である.本書は上田剛士先生の単独書であり,かつ酒見英太先生の監修が入っている.引用されていないものも含めると1万以上の論文を参照しているという.洛和会に勤務しながら7年近くかけて執筆した大著である.単独著でこれだけ重厚かつエンサイクロピディックな書籍というと,青木眞先生の『レジデントのための感染症診療マニュアル』(医学書院),Marino, Cunha, Cope(Silen)などが思い出される.しかし,感染症や集中治療といった一領域のみならず,外科や精神科も含めてこれだけの膨大な文献を読み通せる医師はほかにはちょっと存在しないのではないだろうか.
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