書評
解剖実習室へようこそ
内山 安男
1
1大阪大学・機能形態学
pp.845
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107580
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医学生にとって解剖学実習は通らねばならぬ登竜門です.肉眼(系統)解剖と顕微(組織)解剖を終えると,医学生としての共通の言語を理解し,基礎医学・臨床医学の勉強に親近感を覚えるようになります.特に,肉眼解剖は,人体の構造を理解するにとどまらず,生命について,また,医学について多くを考えることになるため,精神的にもインパクトのあるカリキュラムです.
医学生がこのような肉眼解剖を学ぶにあたっては,現今,たくさんの教科書が用意されています.実習書も図譜もたくさんあります.これらは,解剖学実習を進めるうえで必需品です.しかし,予習のため実習書を読み,教科書・図譜を参考に勉強して,いざ実習室に行っても,なかなか思うような解剖学実習はできません.皮膚,皮下組織,筋膜,筋,骨,その間に,神経と血管が走り,体幹には臓器が入っており,確かに机上の勉強ではまったくわからないことだらけで,実習を進めることになります.その意味で,臨床研修と同様に,インストラクターが必要になります.
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