特集 内科医のための皮疹の診かたのロジック
Editorial
皮疹の診かたの基本的ロジック
北島 康雄
1
1社会医療法人厚生会木沢記念病院
pp.786-791
発行日 2014年5月10日
Published Date 2014/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107527
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皮膚の構造
正常の皮膚は表皮(厚さ0.2mm)と真皮(厚さ1~5mm)からなる(図1).表皮は外側から角質層(厚さ0.02mm),顆粒細胞層,有棘細胞層,基底細胞層で構成されており(図1右),分裂増殖は基底細胞のみで行われ,有棘細胞と顆粒細胞は角化方向に分化進行中の状態である.基底細胞から顆粒層まではおよそ14~21日,角質細胞のターンオーバーも14~21日である.しかし表皮内や真皮内の炎症時には2~3日まで短縮されることもあり,角質層の剥離が肉眼でも認められる(鱗屑という).
毛細血管は真皮乳頭層の乳頭先端部,表皮基底細胞直下にタイプ4型コラーゲンからなる基底膜を挟んで分布している.したがって,炎症により基底膜が破壊されていれば,真皮最上層の毛細血管から出血・漏出した赤血球は表皮細胞間に受動的に取り込まれる.また,神経終末は通常は真皮最上層まで分布しているが,アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など炎症が続くと表皮内にも侵入し,痒みの感受性が上がる.
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