病気のはなし
高安病
手塚 大介
1
,
石原 卓
1
,
磯部 光章
1
1東京医科歯科大学循環制御内科学
pp.78-83
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103047
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サマリー
高安病は1908年に眼科医の高安右人が報告した疾患で,わが国の医学者の名を冠した数少ない疾患の一つでもある.わが国では若年女性に多く発症する疾患で,大動脈およびその分枝に狭窄,閉塞が生ずる大型血管炎である.血管炎による狭窄病変は,血圧の左右差,脈拍の触知不良などの乏血・虚血症状をもたらすため,本疾患は“脈なし病”と呼ばれていた.病因の本態は免疫機序が考えられているが,疾患特異的な抗原が見つかっておらず,診断はC反応性蛋白(C-reactive protein,CRP)などの非特異的なマーカーに頼っているのが現状である.
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