今月の臨床 妊娠と免疫
自己免疫疾患合併妊娠
4.高安病
伊東 宏晃
1
,
佐川 典正
1
,
藤井 信吾
1
1京都大学医学部産婦人科
pp.1088-1091
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100863
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はじめに
高安病(大動脈炎症候群)は1908年にTakayasu1)により初めて記載された大動脈・主幹動脈の狭窄,閉塞を特徴とする非特異的炎症疾患である.1 : 8~9の比率で女性に多く,好発年齢は生殖年齢に一致することから,妊娠に合併することも稀ではない.一方,妊娠,分娩,産褥期を通じて,母体の循環動態はダイナミックに変化する.したがって,正常妊婦においては生理的な範囲である循環動態の変化が,高安病合併妊娠では母児の予後に対する重大なリスクファクターとなる可能性がある.本稿では高安病の病期分類,妊娠に伴う生理的な循環動態の変化をまず解説し,それらを基にして高安病合併妊婦の妊娠・分娩管理について述べる.
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