慢性咳嗽

▪咳の鑑別は，持続期間・痰の有無・各疾患に特徴的な病歴を中心に行う．

▪病歴と検査所見に基づく治療前診断（疑い診断）に対する特異的治療の有効性で確定診断（治療後診断）する．

▪急性咳嗽（＜3週）では急性上気道炎や感染後咳嗽が多く，遷延性咳嗽（3～8週）では感染後咳嗽が最多とする報告が多い．

▪成人慢性咳嗽（≧8週）では，咳喘息，胃食道逆流症（GERD），副鼻腔気管支症候群（SBS）が3大原因疾患である．

▪SBSと慢性閉塞性肺疾患（COPD）は湿性咳嗽，その他の疾患は乾性咳嗽を呈することが多い．

▪難治例（原疾患への治療抵抗例や原因不明例）も存在し，選択的P2X3受容体拮抗薬gefapixantに期待がかかっている．