特集 内分泌疾患に強くなる
扉
和田 典男
1
1市立札幌病院糖尿病・内分泌内科
pp.1711
発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107018
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内分泌疾患は,消化器疾患や循環器疾患などと比較すると研修医や一般内科医から馴染みにくいという印象をもたれているように思います.その原因として,内分泌疾患が比較的稀で実際の症例を診る機会が少ない,疾患の種類が多い,どの検査を選択してよいかわかりにくい,負荷試験の判定が難しいといったことが考えられます.しかし,近年,内分泌疾患が増加してきているのも間違いありません.それはホルモン測定や画像診断の進歩や普及によるものと考えられます.
健診や人間ドックが発達し,CTやMRI,超音波検査の機器が世界一普及し,血液検査の値段が安い日本では,内分泌疾患またはそれを疑う異常所見が偶然みつかる機会が数多くあります.腹部CTや超音波検査では副腎腫瘍がみつかることがあり,また,生活習慣病患者に対して動脈硬化の評価のために頸動脈超音波検査を行うと甲状腺に腫瘍や嚢胞が高率にみつかります.悪性腫瘍の診療の一環としてのCTやFDG-PETによって甲状腺腫瘍を指摘されることもあり,血液検査では電解質などの一般検査異常から内分泌疾患が疑われることがあります.さらに甲状腺機能検査は多くの医療機関で当日結果がわかることから気軽に行われており,異常値を示すこともよくあります.このようなきっかけから,内分泌疾患に遭遇する機会はどんな内科医にも増えてきています.
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