今月の主題 連携して診る腎疾患―タイムリーな紹介から患者マネジメントまで
腎疾患の鑑別とマネジメントの要点
ネフローゼ症候群を疑ったら
川﨑 智子
1
,
古巣 朗
1
,
西野 友哉
2
1健康保険諫早総合病院内科
2長崎大学第二内科
pp.1964-1967
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106530
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ポイント
★浮腫をきたし尿蛋白定性3+以上の患者をみた際はネフローゼ症候群を疑い,尿蛋白定量または随時尿の尿蛋白/尿クレアチニン比(g/gCr)を測定する.3.5g/日以上で診断基準をみたす.
★血清アルブミンを測定する.3.0g/dl以下で診断基準を満たす.
★上記の2点を満たせば,今後の腎生検を含めた精査と治療方針決定のため,腎専門医への紹介を検討する.
★浮腫そのものを取ることは治療の本質ではない.しかし,患者のADLや呼吸状態に影響を及ぼすような体液過剰の際は減塩と利尿薬による治療の適応となる.
★利尿薬による治療中には毎日体重を測定する.急性腎障害や血栓症などの治療による合併症を避けるため,体重減少の目安は1kg/日以下が望ましい.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.