連載 依頼理由別に考える心臓超音波検査とりあえずエコーの一歩先へ・1【新連載】
依頼理由{その1}息切れの患者さんがいますが,心不全でしょうか?とりあえずエコーお願いします!
鶴田 ひかる
1
,
香坂 俊
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
pp.1636-1641
発行日 2012年9月10日
Published Date 2012/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106164
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連載を始めるにあたって
循環器内科に依頼したい検査ナンバーワン,それはずばり心臓超音波検査(心エコー)ではないでしょうか? 心電図のようにすぐに誰にでもできるわけではないのですが,侵襲的でもないし,画像は動いてくれてすごくわかりやすい!
心電図に異常があったら,
「とりあえずエコー!」
心雑音が聞こえたら,
「とりあえずエコー!」
心臓に持病があるけど,手術だいじょうぶかな?
「とりあえずエコー!」
身に覚えがないですか?
しかし,エコーはその四半世紀にわたる歴史のなかで大きな進歩を遂げ,決してEF(ejection fraction)の計測だけがそのすべてではありません.現在の心エコー検査の報告書には実にたくさんの情報が記載されてきます.心臓そのものの大きさや収縮能(いわゆるEF)と拡張能は基本として,ドプラー法を使った心拍出量など血行動態に関するパラメーター,弁膜症の重症度,肺血管系の情報,肺高血圧の程度,疣贅の有無,そして心膜や心囊液まで評価可能です.
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